屋内用回転翼航空ロボット

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研究の概要
 様々な災害においてロボットに要求される重要な作業の一つとして,災害発生後早い段階での情報収集がある. 現在,屋内での災害対応のように閉塞空間で活動を行うロボットの多くは車輪もしくはクローラを有するロボットである. しかし,その構造上,汚染されたビルや倒壊の恐れのある高層ビルなどの内部を高速に移動する,もしくはビル上部より侵入し情報収集を俊敏に行うといった用途には適さない.
 そこで,本研究では地形の制限を受けること無く移動し,情報収集などの目的を達成可能な航空ロボットを開発する. 現在,様々な航空ロボットが開発されているが,がれきの内部や屋内などで作業が可能な航空ロボットは現段階では実用化されていない. 本研究では,災害現場での情報収集および救出活動や警備などの目的で使用可能な,屋内用小型航空ロボット開発する.

視覚による制御
 屋内で自律飛行を行う場合,とりわけ災害現場などではGPSの使用は困難である場合が多い.そこで,航空ロボットにカメラを搭載することによって,SLAM (Simultaneous Localization and Mapping) アルゴリズムによる地図作成を行いながら自己位置の推定を行う方法が考えられる.
 本研究ではキーエンス社製のラジコンヘリコプタE-570に2個のCMOSカメラを搭載し,ステレオビジョンシステムを構成した.画像処理システムとして,日立ハイコス社製ビジョンセンサIP7500EBを用い,視覚による制御の初期段階としてマーカを用いた視覚サーボの基礎実験を行った.

図1 機体外観

図2 視覚サーボ実験システム構成

実験の動画(4.1MB)

オンボードカメラの映像(4.8MB)

自律制御装置の開発
 上記の実験では,研究の初期段階として視覚による制御を簡単にするために,地上に置いたパソコンで制御の計算を行い,無線によって操作指令を機体に送っている.しかし実際に屋内を飛行させる場合,様々な遮蔽物によって無線が届かなくなる状況が考えられる.このような場合に備え,機体自身が制御コンピュータを搭載して地上からの支援なしでもミッションを続行できるようにすることが望ましい.
 本研究ではセンサと制御用マイクロコンピュータを機体に搭載し,機体単独での自律飛行を目的とした各種基礎実験を行った.要求されるペイロードを考慮し,ベースとする機体はE-570よりも大きい京商社製EP-CALIBER M24を使用した.

図3 機体外観

図4 システム構成

図5 実験の様子

参考文献

  1. 辻田哲平,石原聡之,近野敦,内山勝:屋内用小型航空ロボットの開発,計測自動制御学会東北支部40周年記念学術講演会講演論文集, (2004/12/22, 23), 189-192.
  2. 内海信之介,近野敦,内山勝:小型航空ロボットの姿勢制御基礎実験,第25回日本ロボット学会学術講演会予稿集,(2007/9/13--15), 1O33.



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最終更新日:2014年4月1日